無料宿泊のはずが、いちばん高くついた夜(2025年5月 マカオカジノ旅記②)

この日は、一日たっぷりと勝負する日だと決めていました。

今日は腰を据えて、勝つか負けるかをはっきりさせる――そんな一日です。

朝の空気は静かで、ホテルのロビーにはまだ人も少ない。

スーツを着る必要もない朝。
でも、気持ちはどこか平日と同じでした。

「次に思い切り勝負できるのは、いつになるかわからない」

 

 

そんな会社員特有の焦りを胸に、私はまんを持してスターワールドカジノへ向かいました。
この時はまだ、その覚悟が自分を縛ることになるとは思っていませんでした。

 

 

朝からETGでゲームを進めました。
画面の中でカードが配られ、チップが淡々と動いていく。音もなく、ただ数字だけが減っていきます。

勝てない。
思っていたより、ずっと勝てない。

「まだ朝だ」
「ここから流れが変わる」

自分にそう言い聞かせながら、席を立つタイミングを失っていきました。気づけば、負けは少しずつ、でも確実に増えていきます。ジリ貧という言葉が、これほど似合う状況もありません。

焦り、不安、そして孤独。
賑やかなカジノの中で、心だけが静かに沈んでいく感覚がありました。

 

 

昼食に選んだのは、あんかけ焼きそばでした。
皿から立ち上る湯気、香ばしい匂い。とろりとした餡が麺に絡み、口に入れた瞬間、思わず息が抜けます。

「……美味しい」

その一言で、ほんの少しだけ現実に戻れました。
でも、それも束の間です。食べ終われば、また自然と足はカジノへ向かう。

負けを取り返したい、というよりも、この一日を失敗にしたくないという気持ちの方が強かったのだと思います。

 

 

午後もひたすら勝負を続けていると、スーツ姿のカジノスタッフが声をかけてきました。

「スターワールドホテルの無料宿泊をプレゼントします」

しかも、2泊。

一瞬、心が揺れました。
でも同時に、はっきりと理解してしまったのです。

――ああ、完全にカモ認定だな。

勝ったからではありません。
負け続け、それでも席を離れない人間だと見抜かれただけ。

わかっていながら、私はその申し出を受けました。断る理由を探すより、流れに身を任せる方が楽だったのです。

 

 

スターワールドホテルの部屋は、息をのむほどゴージャスでした。

 

⇒スターワールドホテルの記事はこちら https://ti-tabi.com/macau-starworld-hotel-review/

 

 

厚みのあるカーペット、柔らかな間接照明、窓から見下ろすマカオの夜景。

「最高だな」

それは嘘ではありません。
でも、その贅沢さの中で、胸の奥がじんわりと痛みました。

これは無料じゃない。
もう十分すぎるほど、支払っている。

豪華な部屋にいることで、負けた現実が消えるわけではない。ようやく、その当たり前のことに気づいたのです。

 

 

私たちは時々、「最初から決めていたこと」に縛られます。
予定、覚悟、意地――それらが、やめ時を見えなくしてしまう。

でも、立ち止まることは敗北ではありません。
引き返すことは、逃げでもありません。

もし今、あなたが何かを続けるか迷っているなら。
その迷いは、弱さではなく誠実さです。

どうか、自分の感覚を信じてください。
無料の夜は高くつくこともある。でも、その気づきは、これからの選択をきっと軽くしてくれます。

あのマカオの夜。
私に残ったのは、豪華な部屋ではなく、やめ時を知ることの大切さでした。

 

つづく

 

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